Ⅱ 期限の利益喪失による保証債務履行請求(代位弁済)
1.保証債務履行の事前協議
(1)6回延滞の場合(履行遅滞)
① 事前協議
延滞回数が6回になった場合、金融機関と保証会社は、速やかに期限の利益喪失日および代位弁済予定日を事前に協議のうえ定めるものとします。期限の利益喪失日および代位弁済日は、延滞回数が7回となるまでの間の任意の日とします。
② 案内書類の送信
保証会社は、代位弁済予定日および保証債務履行請求に関する提出書類を記載したつぎの書類を金融機関にFAXにて送付します。
[送付書類]| 各種帳票について?
(帳票番号) |
DL | ||
|---|---|---|---|
| ⅰ | 保証債務履行請求に関するご提出書類について |
(2)債務履行の意思・能力が全くないと認められる場合(履行不能)
① 事前協議
破産申立等履行不能の状態に該当した場合には、履行遅滞6ヵ月を待たずに期限の利益を喪失させることができます。つぎの書類を提出し、期限の利益喪失日および代位弁済予定日を、事前に協議のうえ定めるものとします。
② 書類の提出
事前協議にあたり、金融機関はつぎの書類をFAXにて保証会社にご提出ください。
[提出書類]| 各種帳票について?
(帳票番号) |
DL | ||
|---|---|---|---|
| ⅰ | 期限の利益喪失に関する協議書 | ①DL(ZKR31201(2405)) |
|
| ⅱ | 債務者状況報告書 | ①DL(ZKR31001(2604)) |
|
| ⅲ | 交渉経過記録表 | ①DL(ZKR31101(2405)) |
|
| ⅳ | 破産申立受理票 |
- a) 弁護士等による債務整理受任の段階は、将来民事再生手続の可能性または弁護士等の辞任の可能性もあるため、債務履行の意思、能力が全くないと認められる事由に該当しません。ただし、裁判所の破産申立受理前であっても、弁護士等の受任から一定程度の期間が経過し、辞任や破産申立方針変更の可能性が低く、既に履行不能と判断できる場合には、6ヵ月延滞を待たずに期限の利益喪失協議を実施する場合があります。
③ 協議結果の回答
保証会社は、提出書類を確認のうえ、つぎの書類にて回答します。金融機関は、協議結果の回答に基づき、履行遅滞6ヵ月を待たずに期限の利益を喪失させるものとします。
[送付書類]| 各種帳票について?
(帳票番号) |
DL | ||
|---|---|---|---|
| ⅰ | 協議回答書 | ③他1(ZKR31300) |
|
| ⅱ | 保証債務履行請求に関するご提出書類について |
(3)その他の金銭消費貸借契約上の期限の利益喪失事由に該当した場合
保証会社と保証債務の履行原因に該当するかどうか個別に協議します。
2.期限の利益喪失
事前協議終了後、金融機関は債務者等に「期限の利益喪失通知書」を配達証明付内容証明郵便にてご送付ください。
- a) 通知書の内容および送付方法等は、金融機関の定めに従い行っていただきますが、具体的にはつぎの内容、方法等にてご対応ください。
[期限の利益喪失通知書の内容・送付方法等]書類内容 期限の利益喪失通知書 (××月××日をもって、期限の利益を喪失する旨) 送付方法 配達証明付内容証明郵便 - 不在還付
された場合再度、期限の利益喪失通知書を発送(普通郵便) 普通郵便の封筒の写しを保管
3.請求手続き
(1)請求範囲
保証会社が代位弁済する範囲は、つぎのとおりです。
[請求範囲]| 1 | 期限の利益喪失日の元金(ただし、当初の保証金額を限度とします。) |
|---|---|
| 2 | 期限の利益喪失日までの間に生じた未収利息 (約定利率による年365日の日割計算。ただし、7ヵ月を限度とします。) |
| 3 | 債務履行遅滞発生日から期限の利益喪失日までの間に生じた遅延割賦元金に対する遅延損害金 (損害金利率による年365日の日割計算。ただし、6ヵ月を限度とします。) |
| 4 | 期限の利益喪失日の翌日から保証債務履行日までの間に生じた元金に対する遅延損害金 (損害金利率による年365日の日割計算。ただし、90日を限度とします。) |
- a) 債務者等に預金が1万円以上存在する場合は、住宅ローンと相殺してください。ただし、その他に債務がある場合は、原則として、残高に応じて按分して相殺してください。なお、出来上がり担保の手続きにて管理している預金については、他の債務と按分することなく優先的に住宅ローンと相殺してください。
(2)請求期限
原則として、金融機関は事前協議にて定めた期限の利益喪失日の1週間後を期限に保証債務履行請求を行ってください。
ただし、破産手続開始の決定等により期限の利益喪失後の請求となる場合は、期限の利益喪失日の30日後を期限に請求手続きを行ってください。
(3)書類の提出
金融機関は、保証債務履行請求に必要なつぎの書類について、前述「(2)請求期限」に定める期限内にFAXにて保証会社にご提出ください。
[提出書類] (ⅰ~ⅲは保証会社制定帳票)| 書類名 | 各種帳票について?
(帳票番号) |
DL | |
|---|---|---|---|
| ⅰ | 保証債務履行請求書(期限の利益喪失)※1 | ①DL(ZKR31403(2405)) |
|
| ⅱ | 債務者状況報告書 | ①DL(ZKR31001(2604)) |
|
| ⅲ | 交渉経過記録表※2 | ①DL(ZKR31101(2405)) |
|
| ⅳ | 期限の利益喪失通知書および郵送時の配達証明書 | ||
| ⅴ | 延滞発生月からの返済予定表(償還表) | ||
| ⅵ | 債務者等の預金明細 | ||
| ⅶ | 不動産登記全部事項証明書※3 | ||
| ⅷ | その他保証会社が必要とする書類 |
- ※1:代位弁済金の振込口座は金融機関名義の別段預金口座等をご指定ください。
- ※2:保証会社に未提出の部分のみご提出ください。
- ※3:インターネットを利用した登記情報提供サービスにて取得した「登記情報」もご利用できます。 マンションにつきましては「現在事項証明書」もご利用できます。
(4)抵当権移転登記の事前準備(抵当権者が金融機関の場合)
保証会社が前述「(3)書類の提出」を受領後、保証会社が指定する司法書士から金融機関につぎの抵当権移転登記に関する書類を郵送します。
金融機関は記名押印のうえ、原則、代位弁済日5日前までに保証会社が指定する司法書士へご郵送ください。
| 書類名 | |
|---|---|
| ⅰ | 登記に関するご案内 |
| ⅱ | 委任状 |
| ⅲ | 登記原因証明情報 |
| ⅳ | 返信用封筒 |
- a) 委任状は保証会社が指定する司法書士制定の書式です。金融機関制定書式のご利用を希望される場合は司法書士にご連絡ください。
- b) 送付書類について不明点がある場合は、司法書士にご確認ください。
4.代位弁済金の受領
保証会社は保証債務履行請求書等を確認のうえ、事前協議の結果に基づき、原則として保証債務履行請求書等受領後30日以内に、代位弁済金を金融機関指定の口座に振込みます。
- a) 各案件の代位弁済日については、事前に案内した「保証債務履行請求に関するご提出書類について」の「代位弁済予定日」をご確認ください。
5.代位弁済金受領後の手続き
(1)抵当権移転登記(抵当権者が金融機関の場合)
金融機関は代位弁済金の入金確認後、つぎの書類をFAXにて保証会社にご提出ください。
[送付書類]| 書類名 | 各種帳票について?
(帳票番号) |
DL | |
|---|---|---|---|
| ⅰ | 登記識別情報通知(目隠しシール・目隠しマスクを剥がした状態のもの) |
- a) 登記済証(法務局の印がある抵当権設定契約証書)にて抵当権設定登記がなされている場合(法務局オンライン化以前の抵当権設定登記)は、代位弁済金の入金確認後、登記済証(原本)を保証会社が指定するする司法書士へご郵送ください。ご送付にあたっては、保証会社が指定する司法書士から事前送付(前述「(4)抵当権移転登記の事前準備」)している「返信用封筒」をご利用ください。
- b) 抵当権移転登記にかかる費用については保証会社が負担します。
(2)火災保険の質権の移転(金融機関が質権を設定している場合のみ)
火災保険質権移転手続きは代位弁済日に行ってください。
(3)書類の提出
代位弁済金受領後、速やかにつぎの書類を保証会社にご提出ください。
| 書類名 | 抵当権者 | 各種帳票について?
(帳票番号) |
DL | ||
|---|---|---|---|---|---|
| 金融機関 | 保証会社 | ||||
| ⅰ | 代位弁済金受領書(原本)※1 | ○ | ○ | ①DL(ZKR31600(2405)) |
|
| ⅱ | 金銭消費貸借契約書および金利に関する特約書(原本)※2 | ○ | ○ | ||
| ⅲ | 抵当権設定契約証書(原本)※3 | ○ | - | ①DL(ZSS31805(2504)) |
|
| ⅳ | 期限の利益喪失通知書および郵送時の配達証明書(原本) | ○ | ○ | ||
| ⅴ | その他保証会社が必要とする書類 | ○ | ○ | ||
- ※1:受領した金額に応じて、所定の収入印紙を金融機関にて貼付してください。
- ※2:融資実行後に変更契約等を行った場合は、当該契約書も必要です。
- ※3:登記済証を保証会社が指定する司法書士へ郵送している場合は不要です。
- a) 各案件の提出書類については、事前に案内した「保証債務履行請求に関するご提出書類について」をご確認ください。
(4)団信の脱退報告
代位弁済日において団信は脱退となりますので、代位弁済日の翌月に脱退報告を行ってください。報告方法は後述の「第2部 本部の手続き Ⅰ 定例手続き 1.月次報告(4) 団体信用保険の脱退手続き」をご参照ください。
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